仕事、結婚、出産の中で唯一タイムリミットが設定されている「出産」です。逆算して考得ることの大切さ

なぜ「就活」「婚活」「妊活」など「女性を焦せらせるようなことを言うのか」と言われることがあります。女性に「活」ばかり入れているようだが、日本人にとって、かつては「自然体=受け身でいる」ことでした。

しかし、それは「ベルトコンベア」があった時代のこと。日本には、卒業すれば就職、就職したら「社内結婚」ができる集団社内お見合い、結婚退職後、出産・子育てというベルトコンベアがありました。

だから自分から動かなくてもよかったのです。社会や会社、地域が結婚までの面倒を見てくれたベルトコンベアはもうない。今は、自分で動かないと何も始まリません。

それでは、「仕事」「結婚」「出産」について詳しく説明してきいきます。

「就」「婚」「妊」3つの活動の行い方

「自然に出会いたい」は「受け身で向こうから来て欲しい」という意味なので、なかなか結婚できません。私は、女性には登る山が3つあると思っています。「仕事」「結婚」「出産」です。

このどれもが、「受け身で待っている」だけでは何も起こりません。「婚活」も、「条件で結婚しろ」とか「結婚相談所に行け」ということではありません。「自分から意識的に動いてパートナーを探すこと」であり、欧米では普通に行われていることです。

自ら意思を持って動こうとすることを提案しているにすぎません。そして今や結婚も出産も義務ではありません。結婚しないで楽しく宝塚の追っかけをしていても、嘆くのはお母さんぐらいでしょう。そこは選ぶことができるのです。

「出産」から逆算してみる

しかし、「何もかも自由ですよ。選んでください」というのは、日本人には本当に向いていません。選択の自由は「苦しさ」や「生きにくさ」にもつながります。長い間「決められたこと」に従うのがいい子と教育され、

選択や問題解決の手法を学ぶはずにきた私たちには「自由」は重すぎるのです。だから皆迷うのです。でも、いまさら「この人と結婚しなさい」と親が決めた時代には戻れません。

例えば、「生理的に嫌な男」と生活のために我慢して一緒に暮らすほど、日本女性は「ハングリー」ではありません。何もかも自由、という状態が辛いなら、1つだけ「定点」を決めると、洗濯もスムーズになります。

仕事、結婚、出産の中で唯一タイムリミットが設定されているのが「出産」です。そこをポイントにして逆算してみたらどうだろうか?ある28歳の女性に「結婚バイブルを読んで人生が180度変わった」と言われました。

ぼんやりしていた未来が、出産タイムリミットを設定することでリアルになります。「出産したら家庭に入ると思っていたけれど、意外にリミットは近いです。そうなると仕事もまだまだしたいし、お金も足りません。子育てに協力してくれる人じゃないと困ります。男性の好みの基準も変わりました。」

といった声を聞きます。仕事に関しては絶望している女性たちも「子供は欲しい」という人が多いです。これが30歳を超えると「結婚はともかく子供が欲しい」という人も現れます。

絶対に子供のいる人生がいいと思っている人は、そこを定点として、自分の人生を逆算することをぜひやってみてください。

30年後へのタイムマシン

ある企業での研修では、テーマが「30年後を考える」というものだったそうです。対象は20代から30代で、独身か子供のいる営業の女性たちを対象に研修をしました。

女性たちの不安は「今の仕事と子育てを両立できるとは思えない」というモヤモヤ感にあります。しかし、30年後の日本の「少子高齢化」や、GDP3位からベスト10の下の方への落ち込みなど、さまざまなデータを見たあと、温度が明らかに変わっていました。

「もう専業主婦とかやっている場合じゃないと思った人は?」と言うと全員の手が挙がります。自分のためなら変われません。しかし30年後といえば、ちょうど自分の子供が社会にでる時期です。

「こんな大変な時代に社会に出る子供にとって、働いていないとお手本になれない」という思いが彼女たちを奮起させるのです。

10年後、20年後ではなく、30年というタイムスパンで初めて「自分の子供のため」に女性たちは変わるのです。これは目から鱗の出来事です。

そして今は「養ってくれる男性」の存在を信じている彼女たちも、30年後にそんな男がいるとは全く信じていないようです。

稼げば、女性も社会も変わる

働き方改革

今は専業主婦優遇の壁を越えられず年収1000万円前後の働きをしている女性たちに、もっと稼いでもらうことは、日本経済の活性化につながります。それは様々な専門的によって試算されています。

女性たち自身も、仕事がないと、結婚、子育ては難しい。途切れがないよう、なるべく細く長く働ける覚悟がある方が良いです。

と思うのだけれど、「リーママ(サラリーマンママ)」の「正社員フルタイムと子育ての両立」はやはり壮絶です。社会も「共働き夫婦」を標準したシステムに移行していかなければなりません。

何よりも待機児童問題(大都市を中心に、保育所が満員のため入所できない状態)を解消しないと、いずれ「保育所に入れなかったおかげで仕事がなくなった」と国を訴える人が出てくるのではないでしょうか?

働く権利を搾取されているとしか言いようがない状態です。かつて保育所の利用者は「夫の稼ぎがないかわいそうな女性」や「自己実現のために働きたい女性」だったかもしれないが、時代は変わりました。

保育所に子供を預けたい女性たちは、普通に働きたいだけなのです。同時に「長時間労働中心の働き方全体の改革」が必要になってきます。

日本の社会は生産性が低く、長時間労働

欧米でもアジアでも、トップエリートは身を粉にして働くが、普通の人は19時には家族と食卓を囲んでいます。フランスは週に35時間労働で有名だが、あるテレビ収録の時にそれを言ったら、ディレクター氏は「35時間・・・僕は2日で消化しちゃいますよ」とびっくりしていました。

男女ともに9時から17時まで普通に働いて、子供と夕食をとって、という生活ができないのだろうか?短時間低賃金で不安定なパートが、長時間労働の正社員、2つしか働く選択肢がないのは、どこかおかしい。

「中時間労働」があってもいいのではないでしょうか?すでにIT企業のサイボウズなど、新しい働きかに舵を切っている会社もいくつか出てきています。

サイボウズはワークライフバランス重視の会社

サイボウズでは、社員1人ひとりがライフイベントに応じて「ワーク重視」「ワークライフバランス重視」「ライフ重視」を選択できるのです。

出産前はハードに残業していた女性たちも、出産後は早めに仕事に戻ってきます。働き方が選択できるからです。サイボウズモデルは、利益率がいくらぐらいなら実現するのか、他の企業に応用するにはどうすればいいのか、ぜひ専門家に検証して欲しいです。

貧困女子の防止策

何よりも「自分の分は自分で稼ごう」とハッパをかけるには、貧困女子問題があります。単身世帯女性の3人に1人が「貧困」であるという調査結果があります。

家賃を引くと「185,000円」しか残らないという定義です。必死に働いても、生活保護を受給するより苦しい生活になります。これあ結婚したらOKという問題ではありません。

結婚して子育てで仕事を辞め、もし離婚したら、8割のシングルファーザーがこの貧困に当てはまります。そして今65歳以上の単身女性の2人に1人が貧困です。

要するに「誰の金で食っていると思っているんだ」といばっていた男性も、「自分が死んだ後の妻の分は稼いでいなかった」のです。とにかく、この時代を「生き抜く」だけじゃなく「楽して生き抜く」には、「自活女子」になることです。

そのうえでなら、別に結婚して子供を産むという選択をしなくても、何も問題はありません。現に日本はそちらの選択肢の方が充実してます。

韓流、ジャニーズ、宝塚、アニメ、BL、テニミュや仮面ライダー、戦隊ヒーロー、、、、。「萌えと金があれば生きていける」とはある編集者の名言です。

でもそれを認めてしまうと国は滅びるので、少子化の観点からは困るのだが、女性の幸福という意味では「それもあり」かもしれません。

社会も男性も変わる時

「婚活」の提唱から「女子×仕事」問題に重点をシフトしているのは、構造的な問題を解決しない限り、結婚は増えないと思うからです。

構造的な問題とは、「出産したら働けない→子育て期に養ってくれる男性を探す→そんな男性は少数なので結婚が遅くなる、またはできない→晩産で子供の数が減る、または結婚しない人が増えて子供が減る」ということです。

この悪循環をどうにかしないと、婚活をいくら熱心にしても無意味です。そして男性もそろそろ変わる時です。仕事と子育てを両立できている女性たちの夫はイクメンが多いです。

「夫や周囲の協力があって、やっていられる」と仕事を続けるママたちは言います。社会も会社も環境整備は重要だが、やはり一番の理解者であり味方は「夫」なのです。

夫選びはこれからの女性の働き方を考えるときの最重要ポイントです。「男が養う」という機能がなくなった日本の夫婦関係では、男性の役割も当然変化します。

「たった1人で稼ぐ」ことから解放された男性は何をすれば良いのでしょうか?家庭に参画するイクメンになること、また女性にサービスすることが当然求められることです。ドアを開けて押さえる、重いものを持つ、椅子を引く、「ありがとう」「ごめんなさい」を口にする。

それだけでも女性との関係は目に見えて変わるはずです。よく「結婚制度をなくせばいい」とか「一夫多妻制」を無邪気に唱える男性がいるが、それは「モテる男性の一人勝ち」社会で、決して多くの男性にとって居心地の良い社会ではありません。